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「ちょっ、嘘でしょ?!何であんなモンが現実にあんのよ!!」
慌てて逃げられるような場所を探すけれど、ココは狭い女子更衣室。そんな場所は存在しない。唯一の逃げ道といえば、先程言ったように窓から出るしか無い。だが、道具など何も無いのに飛び降りるなど無理。それに向こうは空中でも捕まえにくるだろう。
不審者なら最悪、急所蹴ってでも逃げる事が出来た。
だが、人相手ならともかく、ゆっくりジリジリと迫って来る魔法陣などどうやって攻略する。
「先輩、アレのこと分かるんですか?」
唐突に怯えたような声が、左斜め後ろから聞こえた。
いつの間にか、朝藤さんがそちらの方に私の服を小さく握って隠れていた。その手は不安そうに震えている。
魔法陣の動きはあまり早くも無いため、時間の余裕は少しだけある。冷静になって対処しなければ。
それならば、朝藤さんに状況を軽くでもいいから説明して、此処から逃げる案を2人で絞り出す。
「信じたく無いんだけど、アレは多分ファンタジー小説などに出てくる魔法陣。んで、私が知ってる物語の中でこの状況に1番近いお話しは、勇者召喚ものか、お互いの力とかを使ったバトル物。
召喚物は此処じゃ無い世界(星や惑星、次元など様々)で、困った人たちが助けを求めて誰かを呼んでいる感じ。
バトル物は、超能力者とかが暴れまくるやつ!
私的には前者の可能性が高いと思われる!!」
最後の方の説明はかなり焦ってきた。何てったって、ちょっとだけ魔法陣の移動が早くなったんだもの!
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