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あ!?あれは?
小高い丘の上に、薄桃色の花をその梢に満開に咲かせている木が見える。
故郷の星の多数ある地方政府の内、小さな島国で何て名の木であったか忘れたが、あのような木を国花に定め愛でていたな。
銀河連邦国家に属する船が何時かこの星の傍を通った時気が付いて貰えるように、短距離位置確認シグナルがカプセルから自動的に発信されている事を確認し、カプセル内に残るエネルギーの全てをシグナル発信装置に繋げた。
それから私は船外作業服を着込み、丘の上の薄桃色の花を咲かせている木の下に向かう。
大きな巨木の根元を掘り、巨木の根を枕に穴に横たわる。
夜になり空は、無数の輝く星で埋め尽くされた。
見覚えが全く無い星々、私は故郷の星があると思われる方角を見て、妻や子供達、親兄弟に友人や同僚の顔を1人1人思い浮かべる。
3日目の夜を迎えた。
フィルターの寿命が切れかけているのだろう息苦しい。
もう1度故郷の星があると思われる方角を見て、愛する人達に向けて別れの言葉を口にした。
「さよなら」
その後私は身体に安楽死用の薬剤を注入する。
翌朝、遠い星から来た遭難者の身体の上に、桜の花が舞い降りてその身体を覆い隠して行った。
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