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「私の娘も、この春から小学校に入学するのよ」
「そうなんですか」
「あそこで遊んでる女の子よ。お父さんと一緒にね」
子供だけでお花見をしている私たちを見ていて、察しがつかないのだろうか。
「妹さんたち、元気がないようだけど、大丈夫?」
香奈と蓮花が元気をなくしてしまったのは、あなたのせいですよ。とは言えない。
「はい。大丈夫です。心配してくれて、ありがとうございます」
私は作り笑顔を浮かべて、お話好きのおばさんに向かって頭を下げた。
「ランドセルは買ってもらったの?」
「いえ、まだです」
「最近のランドセルは高いからね」
高いのは知っています。
私は何も言わなかった。。
「どうやら、お邪魔だったようね」
「いえいえ」
「お花見を楽しんでね」
お話好きのおばさんはそう言うと、家族の元に戻っていった。
娘さんと旦那さんと一緒にレジャーシートに座ってお弁当を食べている。
重箱に入ったお弁当。見るからに豪華そうなお弁当。
正直なところ、目が痛い。
あのおばさんは、別に何も悪くない。
悪いのは、私たち三姉妹の母親。
それはわかってはいるけれど……。
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