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ローマにあるコロッセオでは五万人の観衆の歓声と熱気に包まれている。アリーナの中央には三人の男が立っている。仮面を付けて二本の剣を持っている剣闘士が二人の傷だらけの捕虜に向かって走り出した。捕虜の二人は身構える。
~一ヶ月前~
朝靄が出る頃ゲルマン人の村では兵士たちが出発する直前で家族や恋人と会話をする人がたくさんいる。兵士たちは剣と盾、毛皮の鎧を身にまとっている。
ある一家の母親「あぁ、ディアブロはまだ12歳だというのに本当に戦争へ行くの?」
母親の横にはまだ10歳の女の子。その正面には2人の男が立っている。1人はまだ12歳の少年ディアブロ。もう1人は18歳のバルス。
ディアブロ「しょうがねぇだろ母さん、この村は敵から最も近い村だ。だから俺は母さんとイリスを守るために行くんだ」
イリス「お兄ちゃん、絶対帰って来てね。お兄ちゃんいなくなったらさみしいよ。」
ディアブロ「俺は死なねぇよ、イリス」
今にも泣き出しそうなイリスだ。そんなイリスの頭をバルスは優しく撫でた。
バルス「いいか、お兄ちゃんは絶対帰ってくる。イリスが心の中でお兄ちゃん、て叫べば飛んでくる。それに、お兄ちゃんは12歳だけど強いぞ~~。なんせ俺が鍛えたんだからな。ニシシ」と笑いながらイリスを励ます。
イリスを励まし終えた後、バルスは母親と向かい合った。
バルス「僕の両親が亡くなった後、僕の母親代りしてくれたアウェイアさんには感謝しかありません。今までの御恩を返すためにもこの身に代えても必ずディアブロは生きて返します。」
ディアブロ「バルス、子供扱いすんなよ。それにお前だって俺らの家族だ。お前も絶対生きて帰ってくるんだ。」
母親「そうだよ。2人とも私の可愛い息子さ。2人とも必ずかえっておいで。」
2人は顔を見合わせ頷いた。
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