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バルス「ペトロフ将軍!この不躾者にこの場のルールを教えこんで参ります故、共に偵察をさせて頂きたい。」
ペトロフ「ふん、この子狼をしっかり調教しておきなさい」
バルス「はっ!」
そしてペトロフは乱暴にディアブロを投げ捨てた。
~見晴らしの良い高台~
雪が月明かりに照らされている時ディアブロとバルスは見晴らしの良い高台から雪の地面に寝ながら相手の野営地を偵察していた。上から見た相手の野営地は火が灯されているのが分かる。
ディアブロ「くっそ、なんでこんな寒い中山登りして偵察なんかしなきゃいけないんだよ。俺まだ12だぞ。」
バルス「そりゃこっちのセリフだ。よりによってペトロフ将軍に口ごたえなんかするな」
ディアブロ「うっせーな。知らなかったんだよ将軍だってこと。」
バルス「いいか、ペトロフ将軍には絶対逆らうな。黒い噂の絶えない将軍だからな」
ディアブロ「へー、てか相手に動きなんかねーよ。もう寝ちゃおうぜ」そう言ってディアブロは仰向けになった。
バルス「バカヤロウ。まだここに着いて10分も経っていない。お前はもっと忍耐力をつけろ。」
ディアブロ「まーた説教かー?」
バルス「お前がまだまだ未熟だからだ。お前がこのまま育ったらロクな大人にならない。でもそれじゃあ母親代わりをしてくれたアウェイアさんに会う顔がないだろ。イリスにもな」
ディアブロ「はっ。俺はもうそこら辺の大人より強いって。安心して説教やめてくれ」
バルス「…ディアブロ…お前に夢はあるか?」
ディアブロ「なんだよ、急に。そんなもんねーよ。俺らの村は他国との小競り合いが多くてガキの頃は生きることに必死だったし。」
バルス「今でもガキだろ」
ディアブロ「うっせ!!子供扱いすんな!…まぁただ毎日生きることが目標みたいなもんだったから何がしたいとか特にない。」
バルス「そうか…」
ディアブロ「バルスには何かあんのか?夢とか」
バルス「あるよ。アウェイアさんとイリスとお前が幸せになってくれる事が夢。」
バルス「なんだよ今の俺らは幸せじゃないってか?」
ディアブロ「揚げ足取るのはやめろ」
二人は口角を上げながら会話している。
バルス「!!!おい!ディアブロ!見ろ!!」
ディアブロ「なんだ?」
ディアブロはうつ伏せの状態から直って相手の野営地を見る。大きな団体が移動しているのが分かる。
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