約束。

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この手紙からは、少なくとも三つの事が読み取れる。 まず、通常戦死時は一階級である特進が二階級の特進となっている程、鷹刃師団長が健一の戦死を悼んでいること。 次に、師団長といえども軍人である以上手紙の検閲は免れない故に、普通に投函し手紙の宛先をゆみやとしたのであろうこと。 そして、健一は一先ず命はとりとめたものの、やがて容態が悪化し靖国に逝ってしまったこと。 「…中尉の仰有る通りです 。 皆がいてくれなかったら俺は…」 ふと我に返るや狼中尉。 やがてその眼光は、甥っ子のそれから操縦士のそれへと戻るのであった。
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