約束。

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 昭和15年10月1日は、海鷲を目指す若者たちにとって新たな門戸が開かれた日である。 その名を丙種予科練習生。 既に海軍軍人としての基礎が出来ている者を対象としたこの制度は、基礎を3ヶ月飛行訓練を6ヶ月の合計9ヶ月に及ぶ教育そして訓練を経て、航空機搭乗員を育成する目的で設けられたものであった。 そんな丙飛の中のとある3人組が航空母艦加賀を訪れたのは、狼中尉が叔父の戦死を知らされてから数日後の事である。 「マグさんに鳥松君に岡崎君?」 流石に驚く狼中尉… 加賀艦攻隊第3中隊第3小隊長、海軍中尉一式陸攻。 すると真宮徹1水は返事の代わりに一言 「今年の夏には陸さんとの約束を果たせそうだよ」 …とだけ口にする。 やがてそれに偵察員の青山特務少尉と電信員の赤井3空曹が加わり、青山そして赤井の順に口を開くのであった。 「真宮君から話は聞きましたよ機長」 「その約束、青山さんと私も加えて頂きます」
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