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「青山さん…
コウやん…」
呆気に取られながら陸攻。
ふと気付いた時には、寅田鳥松そして岡崎季生の姿も見える。
徹が口にした言葉の意味は言うまでもないだろう。
昭和13年のあの日に駆逐艦電の甲板で交わした約束…
いつか同じ飛行機に乗るという約束を守るために、徹と鳥松そして新たに加わった岡崎の3人組は、15年の9月一杯で駆逐艦電を退艦し丙飛の一員となっていたのだ。
それから徹がしてくれた話に拠ると、1月一杯で基礎訓練及び基礎教育が終わり、2月からはいよいよ飛行訓練が始まるという。
尚、上官から整備員向きだと評価された徹のみ、整備科を経て搭乗発動員の道に進む予定とのことであった。
やがて鳥松も口を開く。
「分隊長…
もとい、川野大尉からの伝言なんだな。
飛行機に乗っても、俺達が電の家族である事に変わりはないんだな。
だから電と同じくらい、まだ見ぬ愛機を大事にするんだな」
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