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中攻乗りなら誰もが例外なくぶつかる第1の壁。
それはエンジンの始動である。
96式陸攻の場合最新型の一式陸攻とは異なり、セルモーターではなくエナーシャースターターという慣性起重機でエンジンを始動させるのだ。
この通称エナーシャーの回転子を、特徴ある音を頼りに手動式ハンドルを以て毎分10,000回転まで加速させ、号令一下エナーシャーをエンジンに接続するのは勿論地上整備員の仕事。
そして、タイミングを計りエンジンに接続する指示を出すのが乗組員の仕事となる。
両者の息が合わないと当然エンジン始動に失敗する確率が高くなり、冬場ともなればその確率は更に高くなるのであった。
尚、バッテリー式のエナーシャーもあるにはあるものの、何回か使用するとすぐにバッテリーが参ってしまう。
その為バッテリー式のエナーシャーは今一つ実用性に劣り、それなりの苦労はかかるが確実に動く手動式のエナーシャーこそがエンジン始動の主役なのだと言えた。
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