陸攻とリクコウ。

4/45
前へ
/252ページ
次へ
 続いて第2の壁。 それは視界の確保である。 中攻も96式艦戦や艦攻等と同様地上に在る時には機首が斜め上を向いている訳であるから、普通に座席に座ったままでは機体正面は勿論、機体の周りの状況など満足に確認出来ないのだ。 では、どうやって視界を確保するのか? 答えは機速が上がり機首と機尾が水平となる姿勢が取れるようになるまで、右側操縦席に座る主操が風防を跳ね上げるか側面の窓を下ろす(96式陸攻の側面窓は下に下ろして開ける)かして機外に身を乗り出して周囲の状況を確認しつつ、左手で操縦装置を操作するのである。 慣れとは手荒く面白いもので、中攻の操縦に慣れてくると機外に身を乗り出しつつ左手で操縦装置を操作するという、初心者が見れば神業に等しい行為が当たり前のように出来るまでになるのだ。 尚、操縦席に座ったままでも機外の状況が確認出来るフロントノーズ式(機首に離着陸脚がある方式)陸上攻撃機が登場するのは、この時から数年後の事である。
/252ページ

最初のコメントを投稿しよう!

7人が本棚に入れています
本棚に追加