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死神は扉に背をかけ、俺の方に顔を向ける。
「1つ目。この教室の中は自由に探していいよ。もしかしたら、何か扉を開けるヒントが見つかるかもしれないしね」
なにか含みのある言い方だ。
「2つ目。このゲームには制限時間を設けるよ。当然、制限時間以内にクリアできなければその時点でゲームは終了。あなたの魂を頂くことになる」
制限時間は終わりが迫ってくると焦りで思考が鈍る。時間にもよるが、やりにくい。
「……その制限時間は?」
俺の質問に死神は指を3本立てる。
「3分」
「3分!?」
思わず声を上げてしまった。随分と時間が短い。これではゲームなんてあっという間に終わってしまう。
「……時間は伸ばせないのか?」
「その要求は、ちょっと受けられないかな」
一応聞いてみたが、言っても無駄らしい。
「……分かった。続けてくれ」
「最後に3つ目。今から3分間。教室の扉はとある特別な方法でしか開かないようになる」
「特別な方法?」
「そう、それ以外の方法ではこの扉は絶対に開かない。だから頑張って開ける方法を見つけてね」
そう言って死神はコンコンッと手の甲で入り口を叩い た。
ルールを要約すると、『3分以内』に『特別な方法』で『扉を開けて』『外に出る』ということか。
制限時間のことなど不安要素は余りあるが、何にせよやるしかない。
「きちんと理解できた?何か質問はある?できる限り答えてあげるよ。ヒントになるようなことは言えないけどね」
「……ない」
死神の問いに俺は答える。
「そっか。じゃあ、これ以上会話しても仕方ないし、時間も惜しいからさっさと始めましょうか」
そう言って死神は小走りで黒板に向かい、白チョークで「3:00」という文字を黒板に書いた。
そして死神は再び教卓に座り、その場で沈黙して俺の目を見る。
あたりが静寂に包まれる。
「……準備はいい?」
その質問に俺は頷いた。
自分の心臓の鼓動が強く聞こえる。
「それでは死神遊戯を開始します。あなたの命は、後3分」
そして死神はゲームの開始を宣言した。
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