第2話 最初の遊戯 前編

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俺は教室の真ん中を突っ切り、見えやすいように教室の一番後ろ行き、そしてかがんだ。 机は30個ほど。1つ1つ丁寧に確認はできない。後ろからまとめて机の中を眼だけで大雑把に確認した。 椅子のせいで分かりづらいが、ほぼ空のように見える。何個か教科書を置き勉している生徒の机があるため、そこだけを調べよう。 物がある机は5つ程度。その机を手にかけ中身を出していく。クラスの人には悪いと思うがは、気にかける余裕はない。 「……何かあってくれよ」 1つ、2つ、3つ、4つと、周りの机を倒しながら進み、物のある机を調べていく。 しかし、机の中には一般的な教科書や私物以外、何も見つけられなかった。 「……嘘だろ」 そんな馬鹿な、これで目に見えないところは大体探し終えてる。 一体どうやって扉を開ければいいんだ。 やばい。何もとっかかりが得られなかった。 ーー焦る彼の気持ちはよそに、死神はこちらを見て静かに笑って考えていた。 (さて、どうなるかな?) ーー残り時間。後、1分50秒。
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