第4話 最初の遊戯 後編

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「あらら、黙っちゃった」 今の状況を見て、私はキョトンとした顔をしてしまっているだろう。 今まで何回か似たようなゲームを他の人にやらせたことはあるが、こんな行動に出た人は初めてだ。 時間は1分を切ろうとしている。なのにじっと椅子に座っているだけなんて、一体何を考えているのかな? ……もしかして気づいちゃったのかな? だけどそんな素振りはなかったし、なんかよく分からないうちにパンを1回だけ齧って突然冷静になったし、とにかく不可解だな。 まあ、だけど。 今までなかった行動に出ているのは面白いかな。 私は素直にそう思った。 「こちらにしても、あなたがクリアするのを望んでいるから、頑張ってね。珠音くん?」 声をかけても反応がない。本当に集中しているね。 さてさて、お手並み拝見と行こうかな。
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