第4話 最初の遊戯 後編

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ーー残り時間。1分5秒 雑念を捨てろ。脳の活動を猛スピードでフル回転させろ。1分間の時間で気付け。 慌てるな。きっと何かがあるはずだ。 まず、考えることは、俺はなぜ教室の中を探し回っていた。 それはあの死神が、『何かヒントが得られるかもしれない』と言っていたからだ。 だが、実際に蓋を開けてみると何も得られなかった。 ……もしかして、これ自体がヒントなのか? 『かもしれない』という表現は本人が気づくかどうかということか? もしそうだとするならば教室の中にあるものは直接的に関係はしないということ。 なら何が関係している。 死神の言ったことをよく思い出せ。何か重大なことは言っていないか。 あの死神が言ってたことで気になること。 ……そういえば。 『よく聞いてね』『しっかり聞いててね』『きちんと理解できた?』 微かな違和感だが、執拗にゲームのルールについて言っていた気がする。 もしかして、ルール自体に何かがあるのか? 初めて掴んだ糸口だった。 しかし、時間は待ってはくれない。早く気付かなければ、終わる。 ーー残り時間。後、45秒
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