第參號~丙型之巻~

5/5
42人が本棚に入れています
本棚に追加
/14ページ
「でもお前も家族も無くした俺には、 もう何も・・・」 「いやいや三嶋には有るやろ? 信頼ゆうでっかい宝が」 「信頼?」 「よく上官にどつかれとったわいと違い、 三嶋は全然無いやろ?」 「まあお前に比べれば・・・」 「上官もわいをお前に監視させる意味合いも有ったんやろな。 短い目で見ればわいみたいな要領良しが得しても、 長く見れば信頼される方が得するんや。 それは時代が変わっても万古不易。 この日本が再び世界に誇る大国に戻り、 米英も焦がれる武士道なんや。 お前はわいの技術に憧れた様に、 わいもお前の誠実さに憧れとったんや」 「そうなのかね・・・?」 「まあ今は分からんでも、 おいおい分かるようになるで。 それまで楽しく生きるんやで。 ほなな、愛しとるで」 そう言うと吉元の英霊は消え去り、 気がつくと朝日が昇りつつ有った。 「あいつが行きたがった南の島、 行ってみようかね・・・」 日の丸の様に桜の様に、 沈んで散ってもまた蘇る。 俺は日本の復興の様に歩み始めた。 ー終ー
/14ページ

最初のコメントを投稿しよう!