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「でもお前も家族も無くした俺には、
もう何も・・・」
「いやいや三嶋には有るやろ?
信頼ゆうでっかい宝が」
「信頼?」
「よく上官にどつかれとったわいと違い、
三嶋は全然無いやろ?」
「まあお前に比べれば・・・」
「上官もわいをお前に監視させる意味合いも有ったんやろな。
短い目で見ればわいみたいな要領良しが得しても、
長く見れば信頼される方が得するんや。
それは時代が変わっても万古不易。
この日本が再び世界に誇る大国に戻り、
米英も焦がれる武士道なんや。
お前はわいの技術に憧れた様に、
わいもお前の誠実さに憧れとったんや」
「そうなのかね・・・?」
「まあ今は分からんでも、
おいおい分かるようになるで。
それまで楽しく生きるんやで。
ほなな、愛しとるで」
そう言うと吉元の英霊は消え去り、
気がつくと朝日が昇りつつ有った。
「あいつが行きたがった南の島、
行ってみようかね・・・」
日の丸の様に桜の様に、
沈んで散ってもまた蘇る。
俺は日本の復興の様に歩み始めた。
ー終ー
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