第參號~丙型之巻~

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ふと見上げると、 月光と桜の花びらに照らされて、 これまた見覚えの有る、 憎たらしくも懐かしい顔が・・・・ 「吉元!吉元やなかか! やっぱりこの靖国に居たとね!」 「まあ一応特攻で死んだしなあ~ 玉音放送聞いた英霊の皆は、 最後の一兵まで戦うべきゆう、 一億総火の玉な意見多い中。 わいは陛下は日本を滅ぼさん為に苦渋の決断やから、 しゃあないやろと言って、 皆にどつかれて来た処やけどな~」 「お前は死んでもブレんな・・・ いや、でもあの時何でお前特攻したとね!? 南国に逃げるんやなかとか!?」 「そう思って今まで散々生き延びて来たんやけど、 やっぱりわいも命を引き換えに皆を守りたい日本男児だったんや。 逆にブレてしもうたわ。 お前の零戦に細工したのもわいやからな」 「何だと貴様!殺す!」 「殺すてもう死んどるわ! まあ長崎は原爆でああなったけど、 天涯孤独のわいと違い、 家族おるお前には生き延びて欲しかったんや。 すまんな」
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