43人が本棚に入れています
本棚に追加
/14ページ
ふと見上げると、
月光と桜の花びらに照らされて、
これまた見覚えの有る、
憎たらしくも懐かしい顔が・・・・
「吉元!吉元やなかか!
やっぱりこの靖国に居たとね!」
「まあ一応特攻で死んだしなあ~
玉音放送聞いた英霊の皆は、
最後の一兵まで戦うべきゆう、
一億総火の玉な意見多い中。
わいは陛下は日本を滅ぼさん為に苦渋の決断やから、
しゃあないやろと言って、
皆にどつかれて来た処やけどな~」
「お前は死んでもブレんな・・・
いや、でもあの時何でお前特攻したとね!?
南国に逃げるんやなかとか!?」
「そう思って今まで散々生き延びて来たんやけど、
やっぱりわいも命を引き換えに皆を守りたい日本男児だったんや。
逆にブレてしもうたわ。
お前の零戦に細工したのもわいやからな」
「何だと貴様!殺す!」
「殺すてもう死んどるわ!
まあ長崎は原爆でああなったけど、
天涯孤独のわいと違い、
家族おるお前には生き延びて欲しかったんや。
すまんな」
最初のコメントを投稿しよう!