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密室の殺人事件があったならタックルでいとも簡単に壊されそうなオンボロな木製の扉の前に俺ーー柊 隼人は立っていた。
此処は某大学の少し古めのゲーム、通称レトロゲーの同好会の部室だ。
同好会と言うだけあって面白い点の分析や今後のゲーム業界の発展に活かす為の研究をしてる……訳ではない。
ただ思い出に浸るように、懐かしいゲームを集めてきて貴重とも称される学生時代の青春を、皆んなでゲームをすると言う行動で消費するだけだ。
まあ、此処には多数の人間が所属しているけど実際の固定メンバーとしては俺と部長、そしてもう一人の部員くらいなんだけど。
入部条件は古いゲームが好きということで、人によっては野球盤とか花札とか持ってくる人もいるけど、人の好きな物を否定しないというルールがある為、大体は問題なく円滑に進んでいるのだ。
もっとも、持ってきたゲームは自身のオススメな点を『熱く』語ってもらうというルールもあるからジョーダンのようなふざけた物は持って来ない。
マイフェイバリットで楽しみ合う、そんな同好会を俺は愛しているとも言え、毎日が楽しく今でも胸をときめかせているのだ。
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