三題噺

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 そして何より部員同士でゲームの貸し借りも積極的にしていて、お互いの好みのゲームを共有して見識を深めようとしてたりもする。  持つべきもの、広げるべきものはゲー友の輪ということだ。 「ちわちわーっす……ってあれ?」  部屋に入って扉を開けてみる。  そこにあるの牛乳パックの山、山、山。  イチゴ牛乳から普通の牛乳。飲むタイプのヨーグルトやフルーツ牛乳からコーヒー牛乳までよくもまあこんなにも集めた物だと思う。  唯一の救いは水洗いをされているから匂いはしないことだろう。 (部長ってば一日八本ペースで飲んでたからこんなに集まっても不思議じゃないのか)  部長はまるで体中の体液が乳製品で出来ているのかと言わんばかりに乳製品を買って飲んでいる。  糖尿病になりますよ、と忠告したこともあったが『若いからヘーキ、ヘーキ』とか『我が体内の動力源を動かすには必要不可欠』とかよくわからん理論を言っていたような。  それは別に構わないから部室に置くな、と一言言ってやりたいところだ。 「あれ?」  牛乳パックの山が何かモゾモゾと動いている。  ……あのなかに人がいるのか。  俺はそっと牛乳パックの山を掻き分けてみる。
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