三題噺

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 掻き分けた末に見つけたのはドヤ顔の女の子でした。 「フハハハ! よく来たな。勇者よっ! 私は此処を支配している魔王であ……っ! ちょ、ちょっとせっかく掻き分けたのをもう一度元に戻そうとしないで!? 人がいるのを確認した上で戻すなんて最低の行為よ!?」  ハサミ片手におかっぱ頭の女の子がバタバタと文句を言っている。  五月蝿いからこのまま埋めてしまおうと思ってたんだけどな。 「何してるのさ。マオーさん」 「牛乳パックを切り開いているのよ」  ハサミをチョキチョキと動かしながら、俺と同じく二回生で此処に入り浸っているもう一人の部員のマオーさんこと大木 真桜(おおき まお)さんは言った。  何故か誇らしげになのはよくわからない。 「はぁ、ご苦労様です」 「……それだけ!? 手伝おうとかそういうのは無いの?!」 「部長の私物みたいなものですからあの二人に処分してもらおうかなと」 「……あの人マメにそんなことをするタイプならこんなに溜まらないでしょ?」  それもそうか。  しかしまあ、マオーさんも変なところで真面目だな。  別に本人に任せても問題なんてないだろうに。
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