三題噺

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「こうしちゃいられない。俺も早く手伝わないと」  マオーさんが切り開いた牛乳パックを片付けつつ、俺は周囲にある牛乳パックを片っ端から集めてくる。  置いたそばからすぐに切り開かれていく光景を見るともはや芸術的なものすら感じさせる。  こう見たらまるで師匠と助手みたいだ。当然、俺が助手だ。 「でもさ、よくもそんな速さで切れるよね。もしかしてマオーさんってば牛乳パックを切り開く為に未来から送られてきたアンドロイドだったりして」 「……」  無言の返答だった。  今は集中していてどうやら俺の戯言は耳に入らないらしい。  もっとも、本当にアンドロイドだから返答に困っているだなんてオチを俺としても勘弁していただきたいところだけど。  量産されている牛乳パックみたいに体を切り開かれてはたまったものじゃないからな。 「しかしまあ、綺麗になってきたな」  あれだけ山のようになっていた牛乳パックも後僅かとなっていた。  今まで隠されていた床も見えて、解決は近いことを感じさせる。  意外と先は遠いと思っていても、行動に移せば案外早く終わることもあるものだと実感するなあ。 (さてはて、今日は一体なにをしようかな?)
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