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メイシンから提案されたブラックルーム対策は二つ。
その内の一つが設備の整った星に行き、小部屋を開けて中身を取り外すこと。もう一つが、ワープによってキモオタ星から遥か彼方へと逃亡すること。
ハーレム創建の頓挫を考えるなら、キモオタ星人以外の星人の助力が必要だと、ロリノアは考えていた。しかし、それは難しいとメイシンが苦言を呈す。
まず、宇宙には銀河があり、その銀河の集まりを銀河団とする。更にその銀河団が集まり超銀河団が。大小様々な超銀河団が174個、それが超々銀河団として宇宙を形作っているのだ。
そんな宇宙を統べる超々銀河団…そのトップクラスの科学力を持つキモオタ星人の作り上げしブラックルームを解除するには、本当に限られた星のみとなる。
それが可能となるのは…アーグネス星人。別名、粛清星人とも呼ばれる、キモオタ星人の天敵の様な存在である。
その説明を受けたロリノアは、是非にともアーグネス星人に助力を仰ぎたいと願い出ようとするが、その口をメイシンが咄嗟に塞ぐ。
『ロリノア様…先程、申し上げましたよね?発言には自重をと…』
「モガモガモガッ!」
口を塞がれ喋れないロリノアにメイシンがそっと囁く。
『いいですか、アーグネス星人とはキモオタ星人の天敵の様な存在。そこに助力を仰ぐような事を企てたら…間違い無く、キモオタ星人は私達を回収しに動きます。それはもう、迅速に!ロリハーレムなど、粛清星人のアーグネス星人には格好の的となりますから!』
メイシンの説明によると助力を仰げる星を探すのは難しいとの事。すると自ずとワープによる逃走となるのだが、これにも問題が。
超々銀河団のトップクラスの科学力を持つキモオタ星人にとって、超々銀河団のどこに逃げようとも、その監視下にあるとのこと。
つまり、ワープによっての逃走を試みるなら、超々銀河団の管轄から外れる未知の銀河を目指す事に。
『我々が到達したこの星は、第151超銀河団にある未開の星。それでも座標はキモオタ星へと情報として伝わっている筈です。これ程の星に到達したにも関わらず、それを捨て…あまつさえ、本当に未知なる宇宙の果てへと旅立つのは自殺行為ともとれます』
助力も逃走も難しい。
と、なればどちらも選ばず、目の前の星に降り立ち、いずれ降臨してくるキモオタ星人に対して迎撃態勢をとる。それしか方法は無いのかも知れない。
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