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広大な宇宙において、来るかどうかも分からない救助を期待して、コールドスリープで再び眠りについて救助を待つか…。
それともワープを使って、他の星に到達できる事に賭けてみるか…。
『ロリノア様、準備は整いました!』
二人の出した結論、それはワープによる最後の賭け。これで開拓可能な星か、文明の発展した星を発見できなければ、ワープ後のエネルギー不足により数年後にはロリノアは死亡。
待つか進むかの選択で、再びロリノアは自身の生命を賭けた大博打を試みる事に。しかし、メイシンはロリノアの自殺行為をみすみす指を咥えて眺めている気は、毛頭無い。
もし失敗してもロリノアは死なせない…その策を密かに携えながら、ロリノアの大博打を了承したのだ。
覚悟を決めた二人。今度は手動モードでは無く、マザーコンピューターによる自動制御モードによるワープへの突入。
「私達の悪運なら…必ず星を見つけてみせるわ!何の根拠もないけどね!」
自嘲気味に笑うロリノア。それに合わせてメイシンも笑う。
『大丈夫ですよ、ロリノア様!わたくしめがいる限り、不測の事態には万全を期しますから!では…』
そう言うとメイシンはメイドロイドのボディを床下へと収納し、マザーコンピューターのみの活動に切り替える。無駄なエネルギーを抑えるための対処だ。
もし、キモオタ星人の遠隔操作を受けた時にメイドロイドのボディを起動していなかったら、恐らくは手動モードに切り替える事すら不可能で、あの時に詰んでいた筈。
だからこそ、常にメイドロイドのボディは活動可能にしておきたいところなのだが…それをあえて収納したのだ。そう、本当に宇宙船のエネルギー残量の低下が著しいからだ。
ロリノアも現状を把握している。かなり分が悪い大博打である事、その後に訪れる絶対不可避の死…それでも、もう後戻りはできない事も。
「さあ、行くわよ!大いなる宇宙の果てに!」
宇宙船hakobuneが発進した。キモオタ星人のロリハーレムからの脱却を成し、新たなる新天地を求めて!
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