Wednesday①

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「おい、こんなこともできねぇのかよ!」 「しっかりしろ、前も教えたよな?」 「そんなんで教師なんてできんのか?」 日々浴びせられる彼からの罵声に、私、安藤 弥生(あんどう やよい)は毎日心がズタズタになっていた。 「す、すみませ…」 「謝る暇があればやることやれよ」 シュンと縮めた身体に対して上から降ってくる冷たい声と鋭い視線… 「まぁまぁ、三木(みき)先生。安藤先生もまだ新人ですし…」 「たしかに、安藤は新任ですが、それで甘やかしていたら彼女のためにならないと思います。 …ほら、突っ立ってないでさっさと自分の席でやることやれ」 せっかく、教頭先生が助け舟を出してくれたのに、それすらも粉々に砕かれ、私は泣かないように唇をギュッと噛み締めて自分の席に戻った。
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