Wednesday①

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安藤 弥生、もうすぐ23歳 都内にある私立高校で今年から数学教諭として勤務することになった。 この高校に私も通っていて、その時は大したことなかったけど、今では都内では有名な進学校となっている。 そんな学校になったから、私のいた頃とは違く、教え方もかなり変わっていた。 「はぁ…」 正直、こんなはずじゃなかった… 私立の高校は公立とは違って移動もないし、部活の顧問さえしなければ意外と休みもあると聞いて私立にしたのに… 「安藤、このプリントももう少し難易度あげて」 「……はい」 春、私の指導係として優しい笑顔を向けてくれた三木 貴紀(みき たかき)先生の鋭い声にビクビクしながらプリントを受け取った。 高校一年生の授業を担当しているが、進度が早く5月にしても本来なら前期の授業分が終わろうとしている。 …私が生徒じゃなくてよかった。 そう思いながら問題を変えるためにまたパソコンに向かった。
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