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「おい相原。早く食えよ。ラーメンが汁吸って伸びてるぞ」
「あー、ほんとだ」
「お前もたまには考え事するんだな」
向かいの席の戸川っちが呆れたように笑った。
疲れが少し出てるのか、最近の戸川っちの笑顔には妙に刺がない。
「ま、俺、先いくから」
「あん、やだ待って……あれ、行っちゃった」
優しいかと思うとやっぱり冷たい、いつもの戸川っち。
でも、このずうっと後になって、俺はさっきの想像の三つ目の戸川っちを目撃することになる。
もっとひどい姿を。
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