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「戸川っちからのプレゼントだ!ありがたや、ありがたや」
「どうでもいいから早く噛め」
両手で捧げ持って感動する相原君に冷たい一言も飛んできた。
「とにかくその煩いあくびを止めろ」
やっぱりうるさい、って。
でも、普段の戸川っちからすると、まるで砂漠に降ってきた雨一滴のように貴重だ。
「うーん……疲れた」
有り難くガムをカミカミしていると、しばらくして戸川っちが伸びをした。
「コーヒー淹れてくるけど、お前もいる?」
「ハイッ」
いつになく優しい戸川っちにたまげて、声が裏返った。
「変な奴」
俺の机からマグを取ると、“洗ってるのかこれ”と文句を言いながら給湯室へと出ていった。
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