相原君の戸川っち観察日記③

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しばらくしてポケットで携帯が振動した。戸川っちだった。 「お帰り戸川っちぃー」 『お疲れ。場所どこ?』 「幹事から連絡いってないの?」 『……幹事って誰?』 「今回は管理部だよ」 『……なるほどね』 不機嫌そうな低い声。 急いで歩いているのか、声が揺れていた。 その時、戸川の背後で“待って、凌介先輩”と呼ぶ声がわずかに聞こえた。 そうか! 幹事、由里ちゃんじゃないか! マングース、敗北。 敵は獲物を別の場所におびき出したらしい。 だけど戸川っちを騙すなんて、ちょっと逆効果じゃないかい? しかし、そのあと会場に到着した戸川っちの怒りっぷりは、逆効果なんてぬるいもんじゃなかった。
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