相原君の戸川っち観察日記③

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情報元は赴任手続きに関わる管理部の重鎮様らしい。 オフレコなだけに皆ヒソヒソと声をひそめた。 「ほんとだよ。金髪美人なんて連れて帰ってきたらどうすんのよ」 「え、戸川君て金髪がタイプ?」 「どうりで私達に反応しないわけだ!金髪巨乳かあ」 どんどんおかしな方向に話がねじ曲がっていく重鎮様方は放置して、欧州部長と立ち止まってまだ言葉を交わしている戸川っちに視線を戻す。 “赴任が決まったのよ” “あの話はオフレコだから” 本当に行っちゃうんだ……。 赴任が近いとは思ってたけど、こんなに早いなんて。 部長と話す戸川っちの背中は、いつもの憎たらしいぐらい格好いい戸川っちだけど。 その背中がなんだか痛々しく思えるのはなんでだろう? 結局はモクモク席に拉致され、米州部長に捕まっている。 何やら喋り続ける部長に相づちを打ちながら、何度も何度もグラスを空ける様子が気になった。 いくら酒に強くてもあまり早すぎるペースで、酔いたがってるように見えたから。
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