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G7様達は不思議と騒いでない。
「ああいうのって、ほとんどガセネタなのよ」
飲みに行った時、美香先輩に聞いたらバッサリと切り捨てた(相原君はよく重鎮様の飲みに付き合わされる)。
「若い子ってあることないこと妄想くっつけてキーキー騒ぐのよね」
「へー、さすが年輪……ですね」
「ダテに長く会社にいないわよ」
相原君の失言に気付かなかったのか、美香先輩はふふんとご機嫌な笑みを見せた。
酒とツマミがあれば注意力散漫になるらしい。
「てか、噂を気にしてたら男は狙えないのよ。噂なんて聞こえないふりで押し倒す。これよ」
そう言いながら、イカゲソを食いちぎった。
由里ちゃんと大差ない猛獣ぶりだ。
「ま、私は片桐派じゃないし」
「私も。美紀がいるしね」
横から梨香子先輩が口を挟んだ。
「美紀って亀岡さんですよね?」
「うん。今、上海事務所のね。私達の同期なのよ」
梨香子先輩がにっこり笑った。
その笑顔にいつかの陰りはないか、ついじっと見つめてしまう。
“無理なものは無理なのに”
もし、梨香子先輩の好きな相手が友達の彼氏だったら?
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