相原君の戸川っち観察日記③

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G7様達は不思議と騒いでない。 「ああいうのって、ほとんどガセネタなのよ」 飲みに行った時、美香先輩に聞いたらバッサリと切り捨てた(相原君はよく重鎮様の飲みに付き合わされる)。 「若い子ってあることないこと妄想くっつけてキーキー騒ぐのよね」 「へー、さすが年輪……ですね」 「ダテに長く会社にいないわよ」 相原君の失言に気付かなかったのか、美香先輩はふふんとご機嫌な笑みを見せた。 酒とツマミがあれば注意力散漫になるらしい。 「てか、噂を気にしてたら男は狙えないのよ。噂なんて聞こえないふりで押し倒す。これよ」 そう言いながら、イカゲソを食いちぎった。 由里ちゃんと大差ない猛獣ぶりだ。 「ま、私は片桐派じゃないし」 「私も。美紀がいるしね」 横から梨香子先輩が口を挟んだ。 「美紀って亀岡さんですよね?」 「うん。今、上海事務所のね。私達の同期なのよ」 梨香子先輩がにっこり笑った。 その笑顔にいつかの陰りはないか、ついじっと見つめてしまう。 “無理なものは無理なのに” もし、梨香子先輩の好きな相手が友達の彼氏だったら?
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