蠢く者

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サルードは狂人の笑みを浮かべながら、箱の中味を指で摘まみ出した。 その中味とは男性器――。 つまり、それは闇商人の……。 「これが本当の意味での宝物ってか――? これウケるよね~? まぁ、一番ウケるのはこの宝物を取られる寸前の、強欲親父の行動なんだけどさ~。」 「へぇ、ソイツは興味深いな…。 そんなに不様だったのかい、その強欲親父は?」 「うん、超情けなかったよ。 失禁しながら、「お願いだ止めてくれ~。」懇願してたしね?」 「そうか、それは是非、僕も見たかったな。」 「そうだと思って、録画しといたよ。 見る、サルード様?」 「ありがとう、後で見させて頂くよ。 それはそれとして、一つ頼まれてくれるかなサト?」 「うん、なんですサルード様?」 サトはボリボリとスナック菓子を貪りながら、サルードへと問い掛ける。 「お前には、ある男の邪魔をしてもらいたいんだ。」 「うん――? でも俺、天才だけど非力だよ? 昔の人も良く言ってたよね、天才は人脈と力はなかれけり――って?」 「成る程…。 因みに、それを言っていたのは誰だい?」 「俺の爺さん――。」 「そうか、素晴らしい言葉だ。 感動したよサト。」 「そうでしょ、サルード様?」 サトは楽しげに笑う。 そんなサトに向けて、サルードは言葉を続けた。 「実行者は別の者にやってもらうから、その点は安心していいぞ。 お前には、作戦の立案と現場指揮を頼みたいんだが、出来るかサト?」 「出来るに決まってるでしょ、当然?」 「分かった。 なら、頼むぞサト。 人員は後で報告する。」 「了解いたしまちたっ! 所でサルード様、闇市で仕入れた一品、早速試してみたいんだけど?」 通称ガジラブノくんを、全裸で人形の様に立ち尽くす青年の臀部に擦りつけながら、サトがそう問い掛ける。 「全く、お前はお盛んだなサトは? まぁ、いいよ……一仕事に入る前に遊んでいくといい。 僕の可愛いオモチャ達と――。」 「ありがとうー、サルード様~。」 サトは、その青年の首元のKUON7396と刻印された管理番号を見据つつ、青年の肛門にガジラブノを押し付けながら言った。 「宜しくね、KUON7396!」 ――と
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