卒業

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 空っぽになった部屋を見て、もうここにあなたはいないのだと改めて思う。  遠くから聞こえてくる歌は、あなたと出会った日に聞いた歌と同じものだった。  わたしは、その歌しか知らない。  寂しくはない。  いつだって、別れのあとにはすばらしい出会いが待っていると、知っている。  ――わたしも、サクラのこと、好きだったよ。  さようなら、かわいい子猫さん。  あなたと同じ名前の花は、今年はいつ、見られるだろうか。
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