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ドルアーガの教え
社長からまた仕事が降ってきた。槍が降るよりもこわい。槍と分かっていても、誰も避けることはできない。いや、避けることができてもあえて槍に当たりにいかないといけないのだ。それが企業戦士たるものである。
「バンダイナムコさんがドルアーガの塔の権利を開放したらしい。申請すれば、自由に使えるらしいぞ!という訳でうちの会社でドルアーガの塔の新しいゲームをつくることにした。各責任者は担当者を決めておいてくれ。」
社長室から飛び出してきて突然言い放った。社員の誰も返答はしない。また新しいプロジェクトがはじまった事実だけを認識する。
「ドルアーガの塔、懐かしいよなぁ。ゲームセンターに通って、なけなしの小遣いでやったもんだよ。」
誰に聞かせるでもなく、一人思い出に浸りながら社長室へと戻って行った。
ドルアーガの塔かぁ。名前は聞いたことがあるけど、やったことはないなぁ。ゲームセンターにあったみたいだけど、ファミコンのイメージの方が強いな。
先日30歳になったばかりの俺は、スーパーファミコンからゲームに触れた世代、ファミコンのドルアーガの塔には懐かしさもなければ思い入れもないから、モチベーションは上がらない。社長楽しそうに話してたなー。それだけ思い入れがあるということか。そんな思い入れのゲームがあること自体ちょっとうらやましかった。
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