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「紗苗が彼女だから、それ以外に理由って必要?」
私の口調とは反対に、優しくまるで包み込んでくれるような声でぎゅっと抱きしめてくれた。
「……」
「紗苗、全然俺のこと見てくれないし」
「そ、それは…!」
怒りに任せて思わず顔を上げると、祐空の寂しそうな顔が周りの明かりにぼんやりと照らされてより寂しそうに見えた。
「た、祐空が楽しそうにしてるからじゃん!
可愛い子にたくさん触られて嬉しそうな顔しちゃってさ…私のことなんて……」
「紗苗だって!」
祐空の怒りを含んだ声に、思わずピクッと肩がすくんだ。
「神谷さんと…仲良くしてんじゃねぇよ。
あの人の気持ち知っててあんな風に会話してたら、紗苗だって同罪になるよ?」
「…もしかして、神谷さんのこと知ってたの?」
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