貴方と桜

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祐空(たすく)と同じ大学に入って、はや一年 正門にある遅咲きの桜がやっと咲き始めた四月下旬、私たちはサークルの新歓で慌ただしい毎日を送っていた。 大学近くにある御用達の居酒屋で私と祐空の所属するバスケサークルは三回目の新歓をしていた。 「あのぉ~、瀬川さんって彼女とかいるんですか?」 「瀬川さん、すごくモテそうですよね~」 三回もやれば慣れるかと、思っていたけど…やっぱり胸がギシギシと痛む。 さっきまで女子とワイワイしていた数人のメイクをバッチリ決めた可愛らしい子たちが数人、祐空を囲むようにして質問攻めをする光景… 「ま、まあ…それは…ね…」 満更でもなさそうな顔をして頬が緩んでいる祐空の顔を見ると、思わず持っているグラスを握る手に力が入る。 「紗苗ちゃん…顔、強張っているよ」 「か、神谷(かみや)さん…」
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