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「何か訳があるんですか」
感情を隠すのが苦手な祐空は明らかに怒りを含んだ声で神谷さんを睨みつけた。
「祐空、君は自覚してないかもしれないけどファンが多いんだ。
祐空を客寄せパンダにしたい訳じゃないけど…今は君の存在が必要なんだ。」
確かに、祐空はどちらかと言うとかっこいい部類に入ると思う。
小さい頃から一緒だったから今まではそんなに気にならなかったけど、大学に入っていろんな人と比べるたび、祐空のかっこよさを実感した。
「紗苗は、どう」
「どうって…」
そんなの本心を言えば嫌に決まってる。
誰だって自分の彼氏を客寄せパンダになんてしたくないはず。
幼馴染を卒業した私にだってそれぐらいの感情はある…けど
「でも、神谷さんがお願いしてるんだし聞くべきだと思うよ」
何かと支えてくれた神谷さんに恩返し、と言っては大袈裟だけど、お礼をするには絶好のチャンスだと思った。
嫌そうな顔をする祐空の腕をチョンと突いて何か言うように促すと、渋々、祐空は認めてくれ今に至る…
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