桜吹雪に想いをのせて

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 山崎はそう新選組副長、土方歳三に伝え終えると一礼して退室する。  ふう、と一息つくと山崎は先程の土方の言葉を脳裏に思い浮かべる。 『今回は手こずったな』 『外れ、か。よく見つけたな』  同時に今度は脳裏に政の姿が過ぎり、辛そうに苦笑する。 「これほど任務が終わらなければいいと思ったことはないですよ、副長」  山崎は土方の命で近頃京で横暴な振る舞いの目立つ不逞浪士の調査をするために薬の行商人に扮して人々から噂を聞き、めぼしい場所を調べたりしていた。  政とは、その調査の中で出会った。
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