桜吹雪に想いをのせて

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 団子とお茶を店の軒先で楽しみながらする話は、何だかいつもとは違うような不思議な感覚がして、政は秋谷のことをもっと知りたいと思う気持ちが強くなる。 「そういえば秋谷さん、今年はもう桜は見ましたか?」 「いいえ、まだですね」 「でしたら今度ご一緒にどうですか? 町の外れに綺麗な桜が咲いてるんですよ」 「いいですね、是非。町の外れの方にはよく行かれるんで?」 「たまに。薬草になりそうなものを探しに行ったりするくらいですが」 「薬草、ですか。それは私も興味深いですね」  お茶を啜りながら「次」の約束をすれば、秋谷も乗り気になってくれて、政はまた違う形で秋谷と会ったり出かけられることに喜びを隠せず、嬉しそうに声を弾ませる。
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