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マルとミアは連携しながら突き進んでくる。上空からの氷槍はミアが衝撃波で吹き飛ばし、重力エリアやマグマはマルの水球で探知しながら上手く躱してきた。
砂漠にはそのままの勢いで突っ込んでくる。強引に突破するつもりだろう。
「なら……砂漠といえばこれかな」
僕は炎属性魔法を空高く飛ばした。それを爆発的に拡張させ、ミニチュア太陽の完成だ。降り注ぐ熱は尋常じゃない。
「いいねぇ〜! じゃあこっちも」
リアムはゴーレムとワームを砂で造作し二人に襲い掛からせた。
足場の悪い砂漠地帯で、全てが干上がる程の熱を浴びながらの戦闘は結構しんどい筈。
でも、二人ともこの環境を楽しんでいるようだ。だって広角を上げ、目をギラつかせてるんだから。
フフ、その笑顔を消してみせたくなるね。
僕はリアムが造ったゴーレムとワームへ強化を施した。
マルは太陽の熱から身を守るため、水属性魔法で自分とミアを強化する。水の膜が薄く身体を包んでいき、刺すような熱を軽減させていった。
「ありがと、マルス!」
ミアはそのままゴーレムに向かい、ボディへ魔力で強化した拳を叩き付ける。間髪入れずにマルが頭を多数の水球で撃ち抜いていく。
しかし……ゴーレムは崩れない。
本来の強度なら、ミアの破壊力であればボディに風穴が空いていただろう。しかし、そこには傷一つ付いていない。
それはマルの水球に対しても同じだ。
それも当然、僕がかなりの強度で硬質化させたからね。しかも二人の全身全霊、渾身の一撃クラスでないと破壊出来ない程にね。
「これ硬すぎだよっ!!」
ミアが攻撃を繰り返すが、ビクともしない。
逆にゴーレムが腕を薙ぎ払ってくる。それを躱すミアとマルだが、砂の中から飛び出してきたワームにより上空へ弾き飛ばされた。
ワームもゴーレムもリアムが自在に操っているので、動きに無駄は全くない。
「さあ、早く倒さないと旅が進まないよー!!」
僕はそう叫び二人を煽る。
戦闘となったため今は旅の進行を一時止めているが、これもまた一興だ。
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