神の暇潰し

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神の暇潰し

 僕は神。この世には様々な神がいるけど、僕はその中で最も位の高い神であり神王と呼ばれている。  神様の神様的な存在。  そんな僕にも困った悩みがある。それは……『暇すぎる』ということだ。  神官達は忙しいと言って遊んでくれないし、神達は僕の前に来ると頭を下げ無口になる。話したとしても口調は固く、全然面白くない。  だから僕は決めた。人間界に遊びに行く事を。  通常、余程のことでない限り神が人間界に降り立つことは無い。それが神界のルール。神の力は人間にとって絶大であり、運命や世界の(ことわり)さえ変えてしまう可能性があるからだ。  まあ過干渉すればだけど。  もし神官達に人間界に行くと言ったら、必死になって止めに来るだろう。それはそれで面白そうだけど、今一番の興味は人間界にあるのでやらない。  今回の計画は誰も知らない僕だけの秘密だ。  神界を離れるに当たり、万が一に備えて分身を置いて行くことにした。何か問題が発生したら僕の分身が対処する。何も起きないだろうけど一応ね。神官達へのカモフラージュにもなる。  さて、見つかる前に出掛けるとしよう。  向かうは、特に面白そうな魔法の存在する世界。  自分と全く同じ姿の分身を創造し意思を授ける。そして目の前に出現させた世界の入口へと飛び込んだ。 「後は宜しく。僕」  笑顔で手を振る僕に見送られながら、神界を旅立った。
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