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「え〜ん。見なくなかったよぉ〜」
「私も……」
二人の落ち込みようが凄い。それを見てレヴィは「カッカッカ」と笑ってるし。
うん、とても平和だ。
因みに、リアムによると人面コウモリの名前は『ノンスクリームバッド、通称"家畜攫い"』だという。ほぼ同種っていう。
流石の僕もそれには「へぇ〜」としか答えられなかった。
もうこの地帯で他のモンスターを期待するのは諦めよう……そう考え、半径数キロ範囲に向けて『威嚇』を放った。
これで当面モンスターは寄ってこないだろう。残念だが、まあしょうがない。
そこから少し物寂しくなってしまったので、僕とマルで新たな楽しみを考え出した。
力が有り余るマルが馬車を降りて走り、僕が障害物を創り出しマルの行く先を阻むというものだ。
マルの修行になるし、僕もゲーム感覚で行えるし、かなりグッドなアイディアだ。
「よし! ジン、僕は十秒後に走り出すからそこからスタートで!」
「オッケー! じゃあ行くよ!」
その場にマル一人を置いて馬車は走り出した。
今のマルなら魔導具もあるし遠慮は要らないだろう。でも最初は軽めに。
十秒が経ち、マルが走り始めたと同時にマルの前方へ岩の壁を創り出していく。
それをマルは次々と躱し、破壊し突破していった。
「やるね!」
その後に発生させた竜巻地帯も突破するマル。
「よし、徐々に難易度上げてくよ!」
僕が次の仕掛けに取り掛かっていると「アタシもやるー!!」と言ってミアが馬車から飛び出していった。
参加は自由だし、寧ろウェルカムだ。
高重力エリアと灼熱のマグマ溜まりをスポット的に設置し、上空から大量の氷の槍を降らす。
そこにリアムも便乗して広範囲に砂漠地帯を生み出し、流砂まで発生させ始めた。
「リアム、ナイス!」
それにニッと悪い笑顔で返すリアム。リアムも結構なドSのようだ。
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