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「よし。次はその魔法に少しずつ魔力を注いで大きさを保つように圧縮してみて」
マルは一週間この特訓を続けているので、何とか形にはなっている。
ルーク先生は苦戦しながらも順調に魔力を注いでいる。ただし圧縮はそう簡単にはいかないらしく魔法が膨張してしまっている。
リーファは魔力を上手く注ぐ事が出来ず、魔法が弾けてしまった。
「難しいでしょ。これが出来るようになるまでは繰り返し特訓するしかないんだ。場所を選ばず一人でも出来るから上達は自分の努力次第だよ」
僕の言葉を聞き、みんな無言で集中し始めた。
「自身の限界までの圧縮、これが出来るようになったら、常にそれを浮かべておく事。他の事をしていても無意識に続けられるようにね。これは魔力コントロールの修練にもなる。後は数を増やしていくんだけど、それはまだ先だね」
結局、三人は日が暮れるまでこの特訓を続けた。よく頑張ったと思う。でも、この何時間かで上手くいく程簡単じゃないのが魔力の質向上の難しさだ。
「ぶっはー!! 疲れたぁぁぁ!ー」
先生は大声でそう叫ぶと大の字で横になった。マルもリーファも疲れ切っている。だけど、強くなれるという希望から二人の目の輝きは衰えていない。
「ククク」
「「??」」
そんな二人を見て嬉しくなり、つい笑いが溢れてしまった。
いきなり笑い出した僕に対し、マルとリーファが訝しげな視線を送ってくるが気にしない気にしない。
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