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僕がこの学園に来てから一ヶ月以上が経過した。相変わらず楽しい毎日を過ごしている。
この頃にはクラスでも魔力の質向上の特訓が開始されていた。皆苦戦しながらも諦めずに続けている。
これはルーク先生の努力の賜物であり、僕が考えていたよりも早くクラスの皆への指導が始まった。
リーファは上手く魔力を圧縮出来るようになり、今では激しく動きながらでも維持している。徐々に魔力の質も高まりつつあり、身体強化魔法の持続時間も伸びてきている。
マルの修行も順調であり、そろそろ次の段階に進む予定だ。
そんなある日、学食でちょっとした事件が起きた。
Sクラスの生徒とFクラスの生徒との間での揉め事だ。揉め事といってもSクラスの生徒が原因なのだが……。
「おいおい、どうしてくれんだよ。服が汚れちまったじゃねーかよ」
そう言うのはSクラスの生徒、名前はダルビス。あまり良い噂は聞かない。そのダルビスがFクラスの女子生徒、ライラに足を掛けて転ばせた。その結果、ライラが運んでいた食事がダルビスの服にかかり因縁をつけてきたのだ。
「おい、何とか言えよ根暗女」
ダルビスは立ち上がると、ライラを上から見下ろし高圧的な態度を取る。
ライラは恐怖から反論出来ないでいた。
「ちょっとあんた止めなさいよ!」
僕とマルも騒ぎに気づき、止めようと立ち上がったが、いち早く近くにいたリーファが駆け付けた。
「大丈夫、ライラ?」
リーファはライラの手を取り立ち上がらせた。
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