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「いらっしゃいませ」
僕の小さい声では、僕の目の前の人くらいにしか聞こえないそれでも声を出すのは、主任の尾賀さんからそういう風に言われてるから。
ここは駅ビルの中にある100均の店。かなり大きめなここは、様々なお客さんがくる。
赤ちゃんを抱えたお母さん、方言まるだしのおじいさんや、おばあさん。会社のお使いにきているOLさん。外出の途中に寄ってるビジネスマン。
そして、この広いフロアでは、僕の小さい声は通らない。
白いポロシャツに、紺色の店名が入ったエプロンを着た僕は、黙々とレジの仕事をこなす。
「1点、2点、3点…...」
レジで商品の数を数えながら、淡々と袋に入れていく。
「ありがとうございました……」
一人終われば、次のお客さんが僕の目の前に商品を置いていく。その繰り返しが、閉店時間まで続く。
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