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この中から崇さんの姿を見つけることが出来るのか、と思ったら、意外にも簡単に見つけることが出来た。
僕のプレゼントした手袋をはめた手をあげて、人波をかきわけてくる。
その姿を見ただけで、僕はひとりでに微笑んでいた。
「おかえり」
「た、ただいま、です」
「荷物、それだけ?」
手にしていたバックとお土産の入っている紙袋。
崇さんは、それを持とうと手を差し出してくる。
「あ、はい、そうですけど、これくらい、僕でも持てますから」
持ち手をギュッと握りなおして、僕は微笑む。
少しばかり残念そうな顔をした崇さんが、なんだか可愛いと思えた。
「実は僕、夕飯食べ損ねて」
「食べてこなかったの?」
「あー、はい」
「じゃあ、何か食うか?」
そう言いながらお寿司屋さんを覗き込む崇さんに、僕は慌てて崇さんのコートの袖を掴んだ。
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