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「あ、あの、あそこのラーメン屋さん行きませんか」
僕は通路の反対側にあったラーメン屋を指さした。
ラーメンのほうが寿司よりも早く出てきて食べられそうだし、僕としては早く帰りたい。
それが自分の住んでるアパートになるのか、崇さんの家になるのかは、崇さん次第だけど。
「ラーメンでいいのか?正月なのに」
「ラーメンがいいんです」
崇さんの腕を掴むと、僕はいつになくグイグイと彼の腕を引っ張った。
「わかった、わかったよ」
その声は少し嬉しそうで、僕はチラッと振り向いた。
「仕方ないなぁ」と言いながらも、声のトーンと同じように嬉しそうな崇さん。
僕の胸がキュンとなったのは言うまでもない。
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