8.酒のつまみ、再び

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「あ、あの、あそこのラーメン屋さん行きませんか」  僕は通路の反対側にあったラーメン屋を指さした。  ラーメンのほうが寿司よりも早く出てきて食べられそうだし、僕としては早く帰りたい。  それが自分の住んでるアパートになるのか、崇さんの家になるのかは、崇さん次第だけど。 「ラーメンでいいのか?正月なのに」 「ラーメンがいいんです」  崇さんの腕を掴むと、僕はいつになくグイグイと彼の腕を引っ張った。 「わかった、わかったよ」  その声は少し嬉しそうで、僕はチラッと振り向いた。 「仕方ないなぁ」と言いながらも、声のトーンと同じように嬉しそうな崇さん。  僕の胸がキュンとなったのは言うまでもない。
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