2705人が本棚に入れています
本棚に追加
「何、買い物?」
「え、いや、そういうわけじゃ」
「まぁ、まぁ、これ一つ、どーぞ」
目の前に差し出されたカゴ。
あからさまに『何か買っていけ』という笑顔に、中から一つだけ受け取ってしまう。
尾賀さんは「じゃーね」と言いながらカゴを抱えて去っていった。
僕は苦笑いをしながら、目の前のつまみの棚に再び視線を向け、自然と手が伸びていた。
さきいかフライ
いわしせんべい
かわはぎ
カシューナッツ
アーモンド小魚
ゴマわかめ
崇さんと僕。
二人でのんびりビールを飲みながら、酒のつまみを食べてる姿が、頭の中に浮かんでくる。
そんな時、いきなり携帯がコートのポケットの中で揺れた。
崇さんからの電話だった。
最初のコメントを投稿しよう!