2705人が本棚に入れています
本棚に追加
刺身や煮物、サラダといった定番の料理の他に、僕が食べたことがないと言ったマグロの頬肉のステーキまで。
「和風の居酒屋さんなのに、こんな小洒落た料理まで出てくるなんて、びっくりです」
まるでお肉みたいで、ついつい箸が進んでしまう。
そんな僕をニコニコと微笑みながら、僕を見つめる崇さんの瞳は、とても優しい。
気が付けば、テーブルの上は、空いた器だらけになっていた。
そろそろお会計をして、店を出なくちゃいけないかな、と思っていた時。
「はい、これ、よかったら食べてみて」
突然、女将さんがにっこりと微笑みながら、何やら炒飯らしきものが盛られた小さなお皿が二枚、目の前に置いた。
「え?」
僕も崇さんも驚いて、女将さんの顔を見上げた。
最初のコメントを投稿しよう!