8.酒のつまみ、再び

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「え?まだ飲むんですか?」  自分の吐く白い息が、アルコールの甘い匂いがする。  街路灯の灯りがポツンポツンと道を照らす。 「ん、せっかくテルくんが買ってくれたのに、それ食べながら飲まないの、もったいないなって」 「でも、これ、日持ちしますから、無理に食べなくても」  正直、僕はお腹いっぱいで、それほど食べたいとは思っていなかった。  むしろ、僕と会わない時とかに、崇さんが家で食べてくれたらいいな、と、思ってた。 「ちょっと、俺の方が飲み足りないってのもあるし」  崇さんが、チラリと僕の顔を見る。  そして、ニヤリと口角を上げて笑った。  あ、なんか、悪そうな顔。そんな崇さんを見るのは初めてで、僕はちょっとだけ戸惑った。
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