8.酒のつまみ、再び

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無意識に中がキュンと締まる。僕は声を押さえようと右手で口元を隠す。 「んっ、んん」 「んっ……何、もしかして、テルくんっ、誰かに聞かれたい趣味でもあるの」  僕の耳元で、そう囁く、意地悪な崇さん。  ずんずんくる腰の激しい動きは止まらなくて、僕自身も夢中で腰を動かしてしまう。  間断なく喘ぐ声も止めることができない。  反論したくても、それすら、する余裕なんかない。  押さえてた右手もすぐに離れ、両手でドアにしがみつく。  だらしなく口が開いて、口の端から唾液が零れる。  目の前が、チカチカしてきて、ドアに縋ってないと、自力でなんか立ってられない。  これで四十代なんて、絶対、嘘だ。 「あんっ、はっ、崇っ、さっ……んんっ」 「んっ、んんっ、何」  僕の腰をグイッと強く掴むから、僕は自然とお尻を突き出すように、背中を反らしてしまう。
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