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すると、崇さんが無意識なのか、ギュウッと強く抱きしめてきた。
「あっ、く、苦しっ……」
「んっ……?」
思わず喘ぐ僕に気付いたのか、崇さんの腕の力が抜ける。
しばらく何の反応もないから、そのまま、また寝てしまったのかなと、僕はチラリと崇さんの顔を覗こうと、首をひねった。
「っ!?」
「……はよ」
眠そうな目をした崇さんと、バッチリ目があってしまった。
なんだか恥ずかしくて、顔が熱くなる。
「……おはっ、ようございます……」
「んっ……」
嗄れた声で挨拶した僕に、再び軽く抱きしめながら、僕の肩のあたりに額を擦りつけてくる崇さん。
なんだか、そんな彼がかわいいと感じてしまう。
「今、何時?」
崇さんの声が背中に響く。それだけで、ゾクリとしてしまう僕。
「えと」
僕は崇さんの腕の中から身を乗り出して、時計を探すけど、前にも時計を見つけられなかったのを思い出す。
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