8.酒のつまみ、再び

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 すると、崇さんが無意識なのか、ギュウッと強く抱きしめてきた。 「あっ、く、苦しっ……」 「んっ……?」  思わず喘ぐ僕に気付いたのか、崇さんの腕の力が抜ける。  しばらく何の反応もないから、そのまま、また寝てしまったのかなと、僕はチラリと崇さんの顔を覗こうと、首をひねった。 「っ!?」 「……はよ」  眠そうな目をした崇さんと、バッチリ目があってしまった。  なんだか恥ずかしくて、顔が熱くなる。 「……おはっ、ようございます……」 「んっ……」  嗄れた声で挨拶した僕に、再び軽く抱きしめながら、僕の肩のあたりに額を擦りつけてくる崇さん。  なんだか、そんな彼がかわいいと感じてしまう。 「今、何時?」  崇さんの声が背中に響く。それだけで、ゾクリとしてしまう僕。 「えと」  僕は崇さんの腕の中から身を乗り出して、時計を探すけど、前にも時計を見つけられなかったのを思い出す。
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